戯れ言

自分でも理解ってる
この唇から零れるのは
心を震わせる真実の言葉ではなく
時間潰しな他愛もない戯れ言だってこと

でも聴いて欲しいんだ
「そっか」って言って欲しいんだ
別に同意してくれなくたっていいんだ

「そうだよね」って上辺だけの同意
傷つけたくないから言うんだろうけど
その優しさがなおさら痛いって知ってる？

ひとりぼっちになるのが
沈黙の中に取り残されるのが
ただ怖いんだよ
ただ切ないんだよ
ただ……苦しいんだよ

呟いた言葉が凍り付いていく部屋の中
私は今夜もひとりきりのまま
青白いディスプレイを相手に
他愛もない呟きを吐きつづけていくんだろう

零れる

いつから？

さぁ、しらないね

きづかなかった？

だって、どうでもいいし

こわくない？

ううん、こわくないよ



かたくなだった、かんじょう

いつのまにか、きづかないあいだに

あたしのなかから、こぼれおちていた


かわることをおそれていた

うしなうことをおそれていた

あたしはどこかへいってしまった


かたくななかんじょうをかかえ

いつも、かわることをおそれていた

いつも、うしなうことをおそれていた

あのころのあたし、どこへいったんだろう？

そして、いまのあたしはいったいだれなんだろう？

不安

楽しい時間のあと
ココロに忍び寄る
深くて冷たくて真っ黒な予感

私は楽しかった
だけどね、だけどね
あのこは楽しくなかったかも

私は友達だって思ってる
だけどね、だけどね
あのこにとって私は友達じゃないかも

訊いてみたくなって
だけどね、だけどね
「やっと気づいた？」って肯定されるかも

だから訊けない
だからモヤモヤしてる
恐い、怖い、コワイってココロが叫ぶよ

暗示＝

「大丈夫、頑張ろ」

鏡に向かって
今日も暗示をかける

　
本当はね
本当はね
大丈夫なんかじゃない
頑張るだけの気力もない

だけどさ
だけどさ

大丈夫じゃなくても
頑張る気力がなくても
私がやらなきゃなんない

だから
だから
今日も鏡の前
同じように呟くの


まるで呪いのように

鏡

鏡を覗き込んでも
ホントのジブンなんて
影も形も見当たらないの

ニセモノのジブンなら
掃いて捨てるくらい写ってる
嫌になるくらいの笑顔を浮かべてんの

ねぇ教えて
ねぇ教えて
ねぇ教えて

あなたが「好き」だと言ったのは
あなたを「好き」だと感じたのは
一体どちらのワタシだったのでしょうか？
今は影も形もないホントのワタシ？
いつも作り笑いを浮かべるニセモノのワタシ？


誰もいない
誰もいない
誰もいない

薄暗い部屋
たった一人で膝を抱えて
望んだ孤独に震えてるのは
どちらのワタシなのでしょうか？

鏡の中
ひっそりと問い掛けるだけ

ホントのワタシにも
ニセモノのワタシにも
それしかできないことだから

感情論

感情に任せて
全てを吐き出せたなら
きっと今より楽なのかな

感情に任せて
全てを叩き壊したら
きっと今より笑えるのかな

感情に任せて
感情に任せて
言葉を綴っていると
不意に現れては消えていく
私の中にいる幼いままのワタシ

闇が怖いと泣くくせに
闇をじいっと見つめては
何かを見いだそうとする

何を見いだすつもりか
ワタシは知っていたのに
私にはもう分からなくなった

感情に任せて
感情に任せて

ワタシならできたこと
私にはもうできないこと

ありがとう

キミの言葉は嘘だった
キミの言葉は嘘だった
キミの言葉は嘘だった


何度も何度も何度も何度も
キミを好きな自分に言い聞かせて
育ってたコイゴコロに止めを刺したの


ありがとうって言える恋の終わり
キミとならできると思ってたのに


ありがとう
キミみたいなのには二度と引っかからない


ありがとう
これから上手く生きてくための勉強になったよ


ありがとう
二度とあたしの前に現れないで
出来れば世界から消えてしまって


ありがとう
キミが世界でいちばん大好きでした
今ではキミが世界でいちばん大嫌いです


ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう


綺麗事しか言えないね

あいたくて

あいたかった

ただそれだけのこと



あいたかった

それは怒られること？



あいたかった

それはキミを困らせること？



あたしにはわかんない

あいたかっただけなのに

どうしてそんなに怒るの？



あたしにはわかんない

あいたかっただけなのに

どうして他の娘といるの？



あたしにはわかんない

あいたかっただけなのに

今はただ涙がこぼれるだけ



これだけはわかってる

これは嬉し涙なんかじゃない



それ以外はわかんない

わかりたくもないんだ

冬の日

素直になれなくて
繋いだ手を振りほどいた

「どうしたいんだ？　」
怒鳴りつけるキミの声
世界は急に真っ白になって
逃げるように駆け出したんだ

逃げなかったら
今も笑えてたのかな
世界で一番好きだったキミと

今一人で歩く街
キミがいた左側が寒くて
小さなくしゃみをひとつ
だけど心配してくれたキミはもういない

贅沢？

物理的には一人じゃない
すぐ近くに見知らぬ誰かがいる
少し離れた場所に見知った誰かがいる
物理的には一人じゃない


精神的には一人きり
物理的には誰かがいる空間
だけどあたしには無意味なんだ
精神的には一人きりだから

物理的な孤独
精神的な孤独
どちらも満たされること
今夜も願い続けていくことは
許されない贅沢なのでしょうか？